「月刊やす理事長」vol.2 ~未来を体現するフィールド~
未来を体現するフィールド
― 白熱のファイナルと東京の誇り ―
味の素フィールド西が丘に、三度の朝が訪れた。
2月8日。
雪が静かに降り続け、ピッチは白く覆われていた。
2月11日。
冷たい雨が降りしきる中、それでもボールは止まらなかった。
2月23日。
雲ひとつない青空。
その下で、東京の頂点を懸けた戦いが始まった。
雪、雨、晴天。
まるで東京クラブユースの覚悟を試すかのような三日間だった。
しかし、どんな空模様であっても、私たちの歩みは止まらなかった。
2月8日。
雪に覆われたピッチに、本当に開催できるのか。
誰もが一瞬、そう思った。
しかしスタッフも、運営に関わる者も、クラブ関係者も、皆がスコップを手に立ち上がった。
白く覆われたピッチに、黙々と道をつくる。
誰一人として「できない」とは言わなかった。
整えられたのはピッチだけではない。
あの日、東京の育成文化の本質が、そこにあった。
そして始まった試合は、寒さを忘れさせるほどの熱を帯びていた。
2月11日。
雨は降り続いていたが、選手たちの強度は落ちなかった。
U14、U13の決勝。
一つのボールを巡る執念。
一瞬の判断が勝敗を分ける緊張感。
その集中力と覚悟に呼応するように、やがて雨はやんだ。
2月23日。
U17決勝は、正真正銘の東京ダービーとなった。
FC東京が先制。
東京ヴェルディが土壇場で追いつく。
延長戦、そしてPK戦。
最後まで走り抜いた両者の姿が、この大会の価値を物語っていた。
たくさんの観客の声援が、選手たちの背中を確かに押していた。
3位決定戦もまた、互いに譲らぬ攻防の末、PK戦へ。
東京のクラブは、最後まで戦い抜く。
それが、東京クラブユースの基準である。
私は改めて確信した。
私たちが目指しているのは、勝利の数だけではない。
この舞台に立つにふさわしい人間を育てることだ。
握手を交わす姿。
審判に礼を尽くす姿勢。
仲間を称えるまなざし。
そこにこそ、東京クラブユースの誇りがある。
東京は、日本を代表する育成地域である。
だが、それは偶然ではない。
支える人がいる。
挑む選手がいる。
信じて送り出す保護者がいる。
その積み重ねが、今の東京をつくっている。
この三日間で見た光景。
雪の白。
雨の匂い。
晴天の青。
そのすべてが、私たちに進むべき方向を示していた。
私は、この東京の育成文化を守る。
そして、進化させる。
必ず、次の世代へとつなぐ。
ここはゴールではない。
ここから、東京の未来を私たちが動かしていく。