②すべてをサッカーに捧げるコンディショニング
下半身のトレーニングやケアで気にしていることは?
サッカーだとハムストリングス(太もも裏側の)や内転筋(太ももの内側にある筋肉群)、ふくらはぎを負傷する選手が多いでしょ。
僕は21歳くらいのとき、短期間に故障が頻発して苦しんだ時期があるんです。
まず、肉離れをしました。1週間で復帰したんですけど、その復帰初日に再び肉離れ。
2週間休んで、復帰した初日にまた……というのを、4回、5回くらい繰り返した。
それで身体のケア特に足のケアは、ストレッチやトレーニングをしっかりやらなきゃなと思いました。
食事や生活リズムなど、すべてをサッカーにシフトしないとダメだって。
そこから食事に気を遣うようになり、生活リズムを変え、ボディケア、トレーニングを変えました。以来、一度もケガしてないんです。
最初の肉離れはどこを?
最初は左のハムストリングスです。
1週間後、復帰した初日にやってしまったのも、同じところ。
患部をほぐして、ほぐして、ほぐして……
リハビリしたんですけど、2週間で復帰して、今度は初日に反対側をやってしまった。
ハムストリングスを?
はい。
また2週間後に復帰して、また右脚を。
さらに左を……。本格的な故障をしたのは、それが初めてでした。
これはヤバい。
来シーズンはどうなってしまうのかって思いましたね。
年末、とてもコンディション良かったんです。それをケガで無駄にしてしまった。
やはり、ケガをせずコンディションをキープするのは大切です。
以来、ケアを入念にやるようになった?
故障する前はストレッチをまったくしてなかったですね。
10代のときは、気が向いたときにちょっと伸ばすくらい。
けれど、故障してからは、ストレッチだけでなく補強運動もするようになりました。
維持じゃなくて、どんどん強くしていかなければいけないんですから。
自分のステージが上がれば、プレー中の運動強度も上がる。
その強度に耐えうる身体を作っておかないといけない。
トレーニングもどんどん変えていったし、食事の量も質もどんどん変えていきました。
肉離れの原因は?
全体的に身体のバランスも悪かったし、多分体全体を支える足の裏からきているのかと思うが、足の使い方や部分も良くなかった。
トレーニングも変わった?
僕は同じトレーニングをずっと…。
たとえばベンチプレスをずっとやっていたら、慣れてくるじゃないですか。慣れてきたら、誰でもできるようになるんですよ。
10回何セットとかそういうのじゃなくて。
10回でいろんなメニューというか。腹筋でもいろんな腹筋があるわけじゃないですか。全部違う種類をやるとか。
僕が見てもらっているトレーナーさんはそういう人なので。
しかも楽しいし。毎回違う刺激が入るから。毎回できないじゃないですか。それを必死でやるんですけど。
また、次行ったときは、違うメニューになってるからまたできない、みたいな。どんどん新しい刺激が入るから。
それも、トレーニングを楽しんでできるというのも、成長のひとつだと思うので。
辛いな、もうやりたくないなって思いながらやるよりも、楽しいなと思ってやっていた方が身体も反応するだろうし、続くと思うので。
こういうトレーニングって決めてはやってないですね。
オフシーズンだけやるボディケアはある?
アホみたいにロードワークをやったりはしないです。
コンクリートの上を走らせる時代は、もう終わり。
あのようなトレーニングは身体が壊れちゃう原因になる。
おそらくヨーロッパで同じ練習をやらせたら、はあ?ってなるでしょう。
故障する?
故障するリスクを避け、しっかりコンディション上げていけるトレーニングする。
その方が選手寿命も伸びるしね。
次回「プレーの質を高め、故障しない為にこだわる事は」は7月下旬頃の配信を予定しておりますので、お楽しみにしてください。